ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #42 「Jの迷宮/ダイヤモンドは傷ついて」

こんにちは、松田悠士郎です。

今回は、「仮面ライダーW」第42話「Jの迷宮/ダイヤモンドは傷ついて」を取り上げます。

 

Wエクストリームをも寄せ付けず、その場に乱入したアクセルトライアルとナスカにもダメージを与えたジュエル・ドーパント

「もうすぐ最後の仕上げ。それで全て終わる」

そう言い残して逃走した。そして冴子も照井に「お前とは必ず決着をつける」と告げて立ち去った。

 

風都署の留置場に来た翔太郎と亜樹子に、刃野が泪達の過去を話した。彼等はかつて、この街が好きだからという理由で喧嘩に明け暮れていた。だがある日、子供達がボランティアで作った沢山の風車ごひとつ残らず壊される事件が起きた。刃野が泪達3人に事情を尋ねると、反抗する上杉の横で泪が犯行を認めて言った。

「好きになればなる程、最後には壊したくなる」

この言葉を思い出した刃野が感じた嫌な予感、翔太郎は当たっているかもと告げて立ち去る。入れ替わりに女医が刃野の前に現れた。その女医は変装した泪だった。宝石にされる事を恐れた刃野が狼狽し始めると、泪は呆れた様な顔で何もせずに立ち去った。

翔太郎が、すれ違った女医が泪だと気づき、後を追う。刃野が騙され上手だと言って説得を試みる翔太郎に、泪が叩きつける様に言った。

「私にコロッと騙されてる癖に偉そうな事を言うな!」

その言葉に、翔太郎は逃走する泪を追えずに居た。

 

本棚で検索を試みるフィリップだが、やはり若菜の妨害に遭う。フィリップをミュージアムへ連れ戻そうとする若菜は、何と本棚でクレイドールに変身、フィリップに攻撃を浴びせた。本棚から弾き出されたフィリップは、若菜のシンクロ率上昇に衝撃を受ける。話を聞いた亜樹子がフィリップに言う。

「フィリップ君は、翔太郎君と半分こだから」

その言葉に、フィリップは重要なヒントを貰って笑みを浮かべた。

事務所に上杉が現れ、明日泪と風見埠頭で会うから同行してくれと頼んで来た。亜樹子は上杉を止めるが、翔太郎は頼みを引き受ける。

 

翌日、上杉と共に風見埠頭で待つ翔太郎と亜樹子。その前に泪が姿を見せた。

一方、フィリップは再び本棚へ入る。当然若菜もきづく。傍らに居た琉兵衛も共に若菜が口にする。

「お前と来人が揃えば」「最終ステージへの扉を開く事ができる」

ふたりは同時に本棚に入った。ミュージアムへの帰還を促す若菜に、フィリップはジュエル・ドーパントの情報を見せてくれと懇願する。意地悪く、ジュエルの弱点についてのページを開いて微笑んだ若菜が、クレイドール・エクストリームに変身してフィリップを襲う。逃走したと思わせたフィリップが反転してクレイドールに向かって飛ぶ。すると、フィリップの身体がクレイドールをすり抜けた?

 

ビルの中に移動した泪と上杉達。広いスペースの窓際に立つ泪が上杉を呼ぶ。その様子に不審を覚えた翔太郎がデンデンセンサーで泪の周囲を見ると、爆弾が仕掛けられていた。慌てて上杉を避難させる翔太郎達の前で、泪が起爆センサーに触れて広間が爆発、泪も巻き込まれた?    泪に向かって謝罪の言葉を投げかける上杉を、何故か翔太郎は怪訝そうな顔で見下ろしていた。

 

事務所に戻った亜樹子はすっかり事件は解決したと思っているが、翔太郎は報告書を書く手を止めて事務所を出る。

「まだ最後の1ページが欠けてる」

 

客船に佇む上杉に、翔太郎と亜樹子が歩み寄って声をかける。動揺する上杉に、翔太郎が言った。

「あんたがドーパントだ」

上杉のみならず、亜樹子も驚く中、フィリップも現れて解説を始める。

今まで翔太郎達が見ていた、泪が変身する所はジュエル・ドーパントがダイヤの微粒子で形成した結晶のシールドによる鏡に写った姿だったのだ。その泪は、上杉に脅迫されていたと言う。その直後、死んだと思われた泪が現れて、上杉を問い詰める。

「何故約束を破ったの?」

これまでの事は全て泪の芝居で、全ては上杉の計画だったと泪は告げる。ここで開き直った上杉は本性を現した。智を宝石に変えたのも上杉なら、かつて子供達の作った風車を壊したのも上杉だった。

計画が露見した上杉は、智を変化させた指輪を投げ捨てるが、アクセルトライアルが寸前でキャッチした。実は、爆発に巻き込まれた泪を救ったのもトライアルだった。

上杉はジュエル・ドーパントに変身、翔太郎とフィリップもサイクロンジョーカーに変身して、トライアルと共にジュエルと戦う。だがジュエルの硬い身体に苦戦する。それでもフィリップは自信を持っていた。実は、本棚で若菜と対峙したフィリップは、シンクロ率50%の状態で、それ故にクレイドールには触れる事無く情報の閲覧に成功していたのだ。

それによると、ジュエルは原子結合を操作して硬い身体を手に入れているが、鉱石には特定の割れ易い方向=石目が存在するので、そこを正確に斬れば倒せるのだ。

エクストリームに変身したWが、プリズムビッカーでジュエルの石目をマキシマムドライブで斬る!

変身が解けた上杉が泪に恨めしげな目を向ける。

「お前が刃野を庇わなければ、こんな奴等を引き寄せなかった」

それな対して泪は、大事な恩人である刃野を傷つけたくなかった、と吐露する。その泪に、照井が指輪を差し出す。上杉は気を失い、メモリはブレイクされた。無事に元に戻った智が、泪と抱き合う。

 

かくて刃野の無実は証明され、今まで刃野に対して散々尊大な態度を取っていた真倉は、すっかり元の腰巾着に戻っていた。

 

以上が、今回のストーリーです。

今回も、翔太郎と刃野の信頼関係がクローズアップされました。翔太郎は、騙され上手な刃野を信じて、泪や上杉にもそれを諭します。そこには、共に刃野に世話になった者としての共感みたいな物を感じました。ジュエル・ドーパントだと思い込んでいた泪の事を疑い切れなかった事も含めて、翔太郎の根底にある優しさが見えたと思います。では今回はこれにて失敬。