ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #45「Kが求めたもの/悪魔のしっぽ」

大変ご無沙汰しております、松田悠士郎です。

この考察ブログもいよいよ終わりが近づいて参りました。そんな今回は「仮面ライダーW」第45話「Kが求めたもの/悪魔のしっぽ」を取り上げます。

 

「鳴海探偵事務所」を訪れた、テンガロンハットに鞭という出で立ちの轟響子は、憧れの恩人を助けたいと願っていた。その相手こそ、彼女が勤める「風都博物館」館長の園咲琉兵衛だった。彼女は勤務中に琉兵衛が加頭と話しているのを聞いたのだ。それによると琉兵衛は、発掘現場で紛失した「イーヴィルテイル」なるものを探しているらしい。亜樹子は止めるが、翔太郎は依頼を引き受けた。

 

琉兵衛は庭で飼い猫のミックを呼び、独特な合図の後にエサを与えてから、「イーヴィルテイル」捜索を指示した。

 

星降谷発掘現場に降りる翔太郎、亜樹子、響子。亜樹子のダウジングスリッパが何かに反応した。

その頃フィリップは、「イーヴィルテイル」についての検索を試みるが失敗。だが突如、フィリップの前に「ミュージアム」関連の本が現れる。フィリップはその中の「Raito Sonozaki」と銘打たれた本、即ち自分自身の事が書かれた本を手に取るが、読もうとして止めてしまう。フィリップが消えた地球の本棚に若菜が現れて呟く。

「せっかくセキュリティを外してあげたのに」

 

翔太郎達は、昔の発掘現場で「Evil Tail」と記された箱を発見する。そこにミック=スミロドンドーパントが現れて3人を襲う。翔太郎はサイクロンジョーカーに変身して応戦し、亜樹子と響子を逃がす。だがスミロドンは素早い動きでイーヴィルテイルを奪う。そこでWはエクストリームを発動するが、スミロドンの能力はフィリップが閲覧したデータを超えていた。それでも何とかイーヴィルテイルを取り返す事には成功する。するとそこへテラー=琉兵衛の声が響く。危険を感じたWはふたりと共に現場を脱出する。

 

都ホテルの部屋で、加頭は冴子に「ガイアインパクト」について尋ねる。だが冴子は答えずに寝室へ入ってしまう。

 

事務所では、照井を交えてイーヴィルテイルについて話していた。だが翔太郎が箱を開けようとすると響子が全力で拒否する。そんな中、フィリップは自分の本を読める様になったが読めなかった事を皆に告白する。翔太郎がフィリップを気遣っていると、響子が姿を消す。翔太郎と照井が響子を追う一方で、フィリップは自分の本を読む決意をする。

 

響子は博物館で琉兵衛に会っていた。琉兵衛がイーヴィルテイルを返す様に求めた所へ翔太郎と照井が来る。だが翔太郎は琉兵衛のひと睨みで恐怖に身体を震わせる。テラーの能力、それは相手の恐怖心を増幅させるというものだった。翔太郎が動けなくなった所にスミロドンが現れて響子を襲う。照井はアクセルに変身して追うが、スミロドンのスピードに苦戦する。

 

フィリップは地球の本棚で自分の本を読むが、そこに書かれた事実に衝撃を受け、事務所を飛び出してしまう。

 

トライアルに使っても、スミロドンの猛攻を受けるアクセルを、翔太郎は何故か呆然と見つめるのみ。そこへやって来たフィリップによってやっと正気を取り戻した翔太郎はサイクロンジョーカーに変身して加勢する。だがスミロドンのスピードにたいて行けない。するとフィリップが「僕に任せてくれ」と言い、サイクロンメタルに変身し、メタルロッドで琉兵衛がミックにエサを与える時に行った動きを再現した。途端にスミロドンか大人しくなった。Wはスタッグブレイクでスミロドンのベルトとメモリを破壊し、ミックをただの猫に戻す。その上でフィリップは、自分の本を読んだと翔太郎に告げる。すると、そこにテラーが現れてフィリップに言った。

「漸く己の使命を知ったな」

テラーの姿を見た翔太郎は、再び恐怖に襲われて動けなくなる。アクセルが攻撃するが、テラーは頭部を分離させてアクセルを襲い、噛み砕く。

隠れて様子を見ていた響子を、若菜が捕らえた。そこで、フィリップに関する事実が明かされる。

フィリップ=園咲来人は、12年前に死んだ。

 

以上が、今回のストーリーです。

ハッキリ言って、今回の翔太郎は全くと言って良い程良い所がありません。辛うじて、自分の本を読む事を恐れるフィリップを気遣う所にハートボイルド的な優しさが垣間見えましたが、本当にそれくらいです。

一方で、自分の事実を知って衝撃を受けたフィリップでしたが、スミロドンに止めを刺さずにベルトとメモリだけを破壊し、ミックを解放する優しさを見せました。

最終章を迎えた「W」、何だか寂しくなりますね。では、今日はこれにて失敬。