ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #35「Rの彼方に/やがて怪物という名の雨」

こんばんは、松田悠士郎です。

今回は「仮面ライダーW」第35話「Rの彼方に/やがて怪物という名の雨」を取り上げます。

 

風都野鳥園で、照井は死んだ妹の面影を持つ背中に目を惹かれる。その女性は、話しかけた少女を突き飛ばして立ち去る。追いかけて捕らえた照井に女性は言う。

「私に近づくと死ぬわよ」

その腕にはガイアメモリのコネクタが打ち込まれていた。詰問する照井を痴漢と間違わせて逃走する女性。追おうとする照井を捕らえたのは、翔太郎と亜樹子だった。

ふたりは子供達に「鳥のお姉さんを元気にしてください」と依頼を受けて野鳥園を訪れていた。その鳥のお姉さん=島本凪こそ、先程照井が逃げられた女性だった。

 

園咲邸では、琉兵衛が保管していたメモリがひとつ無くなったと、井坂に訪ねていた。井坂は明確に答える代わりに琉兵衛に告げた。

「私は10年前にある誓いを立てました。その誓いを果たす時が来たのです」

立ち去る井坂を追う冴子は、井坂に問われる。琉兵衛=テラーを倒す覚悟はあるか、と。更に井坂は、遂に勝利のかぎを手に入れたとも言った。

 

照井と翔太郎、亜樹子は改めて凪に接触する。凪が何かに怯えていると看破した照井に、凪は過去の出来事を話す。凪の父は凪の目の前でウェザーに殺され、その場で凪はウェザーにコネクタを打ち込まれたのだ。

照井は凪に、かつてはるこから昇進祝いとしてプレゼントされたペンダントをお守りと称して手渡す。すると、急に雨が降り出した。途端に怯え始める凪。そこへ、ウェザーが現れる。雨を振らせていたのはウェザーの能力だった。照井と翔太郎は変身してウェザーに挑むが、ウェザーはふたりを圧倒、Wに雨を集中させて動きを止めておいて、アクセルに雷撃を浴びせる。その間にウェザーは凪のコネクタの成長度合を確認し、謎のメモリを見せる。

Wが局面を打開する為にエクストリームになると、ウェザーは逃亡。アクセルは倒れ伏した。凪は敗れた照井を「嘘つき」と罵って走り去る。

 

事務所でフィリップが、ウェザーの持つメモリを検索した。正体は「ケツァルコアトルス」。史上最大の鳥のメモリだった。どうやら凪は、以前のリリィ白金同様、メモリの過剰適合者らしく、ウェザーは凪に恐怖を与えてコネクタの成長を促し、最終的にメモリを我が物とする魂胆の様だ。凪を守れなかった自分の不甲斐なさに怒りを覚えた照井は事務所を立ち去り、亜樹子が後を追った。

 

井坂は自室で冴子に、10年前に自分が琉兵衛=テラーを目撃した時の事を話していた。その時から井坂は、琉兵衛の持つテラーのメモリを奪う事を目的としていたのだ。冴子は井坂の野望に乗ると、改めて表明した。その足元に、ミックが潜んでいるとも知らずに。

 

照井と亜樹子は、かつて照井がシュラウドに会った場所に来ていた。照井の呼びかけに応じてシュラウドが姿を現したが、更なる力を求める照井の要求を断る。今の照井は復讐を忘れかけていると。だが照井はアクセルに変身してシュラウドにエンジンブレードを突きつける。その覚悟を見たシュラウドは、照井を促して先を歩く。照井の後に、亜樹子も戸惑いながらついて行く。

 

野鳥園へ凪を訪ねた翔太郎は、照井が凪を守ろうとする動機を聞かせる。困惑する凪に、翔太郎は荘吉の言葉を引用する。

「守るべき者が居れば、男はどこまでも強くなれる」

そこへ井坂が現れ、ケツァルコアトルスメモリの複製品をオウムに挿入して巨大鳥に変身させ、凪を連れ去る。翔太郎はサイクロンジョーカーに変身して、ハードボイルダーで巨大鳥を追う。合流したリボルギャリーで、フィリップの助言に従ってハードタービュラーに換装しようとすると、何故か中にはガンナーAが居た。咄嗟にガンナーAとドッキングして、キャノン砲で鳥を撃ち落として凪をルナで救い、エクストリームで鳥を倒した。だがその間に、井坂が凪を捕らえてそのコネクタにメモリを挿そうとしていた!

 

シュラウドが照井を連れて来たのは、モトクロス場だった。戸惑う照井に、シュラウドはバイクを示しつつヘルメットを投げ渡した。

 

以上が、今回のストーリーです。

この話は完全に照井が主役なので、翔太郎の出番は少なめです。それでも、子供達の依頼を無償で引き受けてフィリップに「ハーフボイルド」呼ばわりされながらも、凪に照井の心の内を話してフォローしています。普段どんなに邪険に扱われても、共通の敵と戦う照井を見捨てない所は、多分にハートボイルド的なアプローチと言えるでしょう。その優しさは、凪本人にも向けられていました。

 

次回はアクセルが進化します。では、今日はこれにて失敬。