ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #31「風が呼ぶB/野獣追うべし」
こんばんは、松田悠士郎です。
今日は「仮面ライダーW」第31話「風が呼ぶB/野獣追うべし」を取り上げます。
フィリップは、エクストリームメモリの中でシュラウドに言われた言葉について考えていた。
「左翔太郎は、あなたにとって不吉な存在」
そんなフィリップに、照井が「野獣人間」についての検索を頼みに来る。その傍らで、事務所にひとりの男が訪ねて来る。
尾藤勇、41歳。今日刑務所を出たばかりだった。尾藤は鳴海荘吉を訪ねて来たのだが、荘吉が既に亡くなっている事を知ると、諦めて立ち去ろうとする。それを引き止める翔太郎だが、「半人前に用はねぇよ」とあしらわれてしまう。それでもめげずに、翔太郎は尾藤の後を追った。
ついて来る翔太郎を相手にせずに神社を訪れた尾藤は、たこ焼き屋に「有馬丸男」について訊くが、たこ焼き屋は言葉を濁す。しかし、たまたま神社に居たウォッチャマンから有馬の素性を知らされる。有馬は、周辺を仕切る土建業者の社長らしい。
一方事務所では、照井が亜樹子とフィリップから鳴海荘吉の事を聞いていた。話を聞いた照井は言う。
「会ってみたかったな」
尾藤と翔太郎は、有馬の自宅を訪れた。出迎えたのは有馬の妻で尾藤とも馴染みの鈴子だった。尾藤と鈴子は再会を喜ぶが、有馬は迷惑がる。尾藤は「野獣の噂」を持ち出して有馬を問い詰めようとする。だが有馬は「アレ」の在り処について、鳴海を引き合いに出して尾藤に訊き返す。答えられない尾藤の代わりに翔太郎が「アレなら知ってるぜ」とハッタリをかまし、尾藤と共に出て行く。
フィリップの検索で、10年前の現金輸送車襲撃事件の事が語られた。現場には人間離れした破壊の痕跡があり、襲われた輸送車と現金30億円はダム湖に沈んだらしい。事件の直後に尾藤が警察に出頭、懲役10年の実刑を受けた。
翔太郎の言葉がハッタリだと知った尾藤は、翔太郎を叱責する。そこへドーパントが現れて翔太郎に襲いかかり、攻撃しながら質問する。
「熊は何処だ?」
翔太郎はWに変身するが、サイクロンメモリの様子がおかしい。それでも構わずドーパントに立ち向かうが、身体が上手く動かない。どうやら左右のバランスが悪くなっている様だ。攻め込まれるWを救ったのはアクセルだった。だがアクセルのマキシマムドライブを受けても、ドーパントは耐えて再生を果たした。そのドーパントを止めたのは、尾藤だった。ドーパントの正体は、有馬丸男だった。有馬は尾藤とW、アクセルに向かって啖呵を切ると再びドーパントに変身して逃走した。
変身を解いたフィリップだが、精神はまだ地球の本棚に残された。そこで謎のシルエットを見た、所で漸く目を覚ます。
照井と真倉が鈴子に事情聴取をしている所に尾藤が現れる。鈴子は尾藤に駆け寄り、すがり着いた。
事務所で翔太郎は、有馬が口走った「熊」を荘吉絡みの何処かで見た事を思い出した。翌朝に行動しようとするが、変身が上手く行かなかった事を気にするフィリップが制止する。しかし翔太郎は聞き入れなかった。
有馬がバーで酒をあおっていると、冴子と若菜が声をかける。更に、ピアノを弾いていた井坂が有馬に申し出る。「代わりに熊狩りをしましょうか?」
翌朝、翔太郎は亜樹子と尾藤を連れて風吹山にある荘吉の別荘へ赴いた。そこで木彫りの熊を見たらしい。亜樹子が屋根裏部屋へ熊を探しに行く間、翔太郎は尾藤が10年前に鈴子の為に有馬の罪を被った事を知り、尾藤に優しい言葉をかけるが、尾藤は荘吉を引き合いに出して翔太郎を甘いと断じ、いつか大切なものを失うと警告する。
その頃、リボルギャリーに現れたシュラウドがフィリップに告げる。
「あなたはエクストリームメモリで進化する。そのパートナーは左翔太郎ではない」
亜樹子が熊を見つけた所へウェザー・ドーパントが襲って来る。翔太郎はWに変身しようとするが、前回の結果とシュラウドの言葉を気にするフィリップが応じない。仕方なく素手でウェザーに立ち向かう翔太郎だが当然歯が立たない。翔太郎のピンチに、フィリップはシュラウドの制止を振り切ってリボルギャリーを発進させて翔太郎を救う。詰め寄る翔太郎を遮り、ファングジョーカーでの変身を強く主張する。翔太郎も折れてファングジョーカーに変身するが、やはりフィリップの方のパワーが強過ぎてバランスが取れず、満足に戦えない。マキシマムドライブも不発に終わり、変身がとけてしまう。フィリップは、絶望した表情で翔太郎を見つめた。
以上が、今回のストーリーです。
翔太郎のハーフボイルド的な優しさは、荘吉の古い知り合いである尾藤に向けられますが、尾藤にはその優しさを甘さだと指摘されてしまいます。その尾藤の警告の通り、翔太郎は相棒であるフィリップを失うかも知れません。どうなるかは次回。では、今日はこれにて失敬。