ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #21「還ってきたT/女には向かないメロディ」

こんばんは。松田悠士郎です。

約二ヶ月ぶりに「仮面ライダーW」のハートボイルド的考察を行います。今回は第21話「還ってきたT/女には向かないメロディ」を取り上げます。

 

夜の倉庫街の一角で、氷室刑事と男が何やら取引をしている。そこへ、照井と真倉が現れた。氷室は、管内の失業者のリストを何者かに売却していたのだ。

取引相手の男が仲間を呼び、その間に氷室は逃走を図る。追いかけようとした真倉が脚を滑らせて転倒し、気を失った所で男達はマスカレード・メモリを使い、照井もアクセルに変身して戦う。

その間に逃げおおせた、と思った氷室は、口笛の音と共に現れた別のドーパントに遭遇する。口笛を聴いた氷室が口走る。「溝口か?」

マスカレード達を倒して急行した照井の目の前で、氷室はドーパントに消されてしまった。

戻った照井に起こされた真倉が、照井を後ろから狙うマスカレードに気づいた時、何処からか放たれた銃弾がマスカレードを倒す。撃ったのは、LA帰りの九条綾刑事だった。

 

その後、真倉が血相を変えて「鳴海探偵事務所」に現れる。綾に好意を持った真倉が、今回の事件を先んじて解決して綾の気を引こうと翔太郎に捜査協力を求めたのだ。事情を知ったフィリップと亜樹子は呆れるが、翔太郎だけは乗った。「照井には、一度ガツンと言ってやらないとな」

翔太郎達がウォッチャマンに情報を聞きに行くと、怪しい刑事として阿久津憲の名前を挙げる。早速、翔太郎達は阿久津をマークする。その阿久津は何故かサンタちゃんと会話をしていた。

照井と共に綾が阿久津をマークしていると知った真倉は先走って阿久津に詰め寄るが、あっさり逃走を許す。先回りに成功した照井だが、そこへまた口笛が聞こえる。またしても現れたドーパントは照井を蹴散らして阿久津を襲う。そこで阿久津も口走る。「溝口か?」

そこに、駆けつけた翔太郎がサイクロンジョーカーに変身して間一髪で阿久津を助ける。その間に阿久津は逃走、照井は阿久津を追おうとするがWとドーパントの戦闘に邪魔される。しかし、阿久津が落としたと思われるキーホルダーを手に入れる。

ドーパントの硬い身体に苦戦するWは、ヒートメタルに換装して逆転攻勢をかけ、脚にダメージを与えるものの寸での所で逃げられてしまう。

「ディガル・コーポレーション」では、冴子がアクセルの映像を観ていた。その対面には、何故かミックを抱いた若菜が居る。冴子が若菜を叱責していると、阿久津から電話がかかってくる。

探偵事務所に照井、真倉、綾が来る。綾の歩き方を見たフィリップが「脚を傷めているのかい?」と訊ねるが、綾は否定する。

氷室と阿久津が口にした「溝口」とは、かつて風都署捜査一課に在籍した刑事だった。汚職で懲戒免職処分を受けたと真倉が言うと、綾が強く否定した。綾にとって、溝口は目標だったと言う。その溝口が、阿久津と氷室の内通に気づいたが逆に消された、しかし生きていた溝口がふたりに復讐を図ったと翔太郎が推理を披露すると、真倉が「復讐なんて間違ってる!」と激昂する。だが突如照井に殴られてまた気絶する。照井はフィリップに、阿久津が落とした「Catherine」と刻まれたキーホルダーを託して出て行き、綾も後を追った。

照井に訊かれ、綾は溝口が恋人たったと認める。溝口はいつも決まって口笛を吹いていたらしい。

 

フィリップの検索が始まった。キーワードは「阿久津憲」「風都署捜査一課刑事」「失業者の連続失踪事件」そして「Catherine」。

結果、「Catherine」が阿久津の所有するクルーザーの名前だと判明する。

翔太郎、照井、綾、真倉の四人はクルーザーへ向かう。綾の提案で二手に分かれ、照井と翔太郎は正面、綾と真倉は裏からクルーザーへ接近した。

クルーザーに乗り込んだ翔太郎の前に、拳銃を持った阿久津が現れるが、死角から出て来た照井に銃を蹴り落とされて逃走する。一方の綾は、人影を見つけたといって先行するが、その先で悲鳴を上げる。慌てて助けに行った真倉だが、またも殴られて気絶してしまう。

照井と翔太郎に取り押さえられた阿久津が

言うには、失踪した失業者はガイアメモリの商品テストの実験体にされたらしい。溝口はそれに気づいた為に殺された、とも。

阿久津を連行しようとしする照井に、スミロドンドーパントが襲いかかる。翔太郎と照井が変身してスミロドンと戦っている間に、阿久津はクルーザーで逃走を図る。ルナトリガーの追尾弾をもかわすスミロドンに苦戦するが、アクセルがスチームメモリを使って何とか撃退する。

逃げおおせたと思った阿久津だが、クルーザーごと爆死する。仕掛けたのは例のドーパントだった。その正体を、照井とフィリップは気づいていた。照井の指摘に、ドーパントは変身を解いた。その正体は、綾だった。

 

以上が、今回のストーリーです。

今回も照井中心の話なので翔太郎の活躍は少なめです。それに翔太郎の動く理由も、照井への対抗意識なのでハートボイルド性は弱めです。翔太郎のハーフボイルド的な優しさが出て来るのは次回でしょう。

 

「復讐」という共通項を持つ照井と綾がどの様に決着をつけるのか、次回のお楽しみです。では今日はこれにて失敬。