ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #24「唇にLを/嘘つきはおまえだ」

おはようございます、松田悠士郎です。

今回は「仮面ライダーW」第24話「唇にLを/嘘つきはおまえだ」を取り上げます。

 

Wに嘘の針を打ち込んでアクセルと戦わせている間に、ライアー・ドーパントは事実を知って絶望するジミー中田の涙を紙に取り、尚も不正を頼もうとするゆきほを蹴散らして姿を消した。

 

ゆきほは事務所で、中田との出会いについて話すが、半ば身勝手とも言える事情を述べるゆきほを、翔太郎はきつく諭す。

「ジミーはあんたのオモチャじゃない」

一方、リボルギャリーでは照井とフィリップがライアー・ドーパントについて話していた。フィリップも、ライアーの事を厄介な敵と評した。

 

「井坂内科医院」では、井坂が冴子、ではなくタブー・ドーパントの身体を調べて悦に入っていた。井坂曰く、人間の身体には興味が無いそうだ。そして井坂は、冴子の心の奥を見透かしたかの様な言葉を吐く。

「恐怖の帝王にも勝てるかも、そうしたら君がミュージアムの帝王だ!」

 

数日後、「フーティックアイドル」の収録日になったが、中田はさざなみ海岸の砂浜にギターを残して立ち去ろうとしていた。そこへ現れた翔太郎を見て中田は逃げ出すが、恥ずかしがりながらも追う翔太郎に捕まる。ファンに裏切られたから音楽を辞めると言う中田に、翔太郎は言う。

「一番の嘘つきはゆきほさんでもドーパントでもねぇ、おまえだ。おまえは自分に嘘を吐いてる」

翔太郎に諭された中田が「僕はどうすれば?」と問うが、翔太郎は敢えて突き放した。

「男の仕事の8割は決断、それ以外はオマケみてぇなもんだ」

 

リボルギャリーではフィリップが検索を行うが、キーワードが抽象的な為に苦労していた。そこへ照井が新たなキーワードを提示した。それは、

「和紙」

だった。照井はライアーが中田の涙を採取した時に使った紙の模様を覚えて、調べていたのだ。これで一気に検索が完了、導き出された答は「詩人」、つまり、ストリートのポエマー沢田さちおだった。ここで照井が、ライアーとの戦闘時に聞いた「ハートがフルフル」というフレーズを口走った途端、フィリップが気づく。そのフレーズは、若菜が「ヒーリングプリンセス」で使うフレーズなのだ。

 

園咲邸で冴子が井坂について考えている最中、若菜にフィリップから電話がかかる。フィリップは、若菜に協力を求めた。

 

ライアーの正体を知った翔太郎が公園へ急行するが、沢田の姿は無く、サンタちゃんによれば最近見かけないらしい。その沢田は、車の中で「ヒーリングプリンセス」を聴いていた。その中で若菜が「電波塔の道化師」に会えると喋った事に沢田は驚く。

ラジオ局に近づく沢田の前で、若菜が車に乗って出て行った。沢田はライアーに変身して後を追った。

若菜を乗せた車はビルの地下駐車場に入り、そこから若菜はコンサートホールに移動した。追いかけたライアーが客席の後方から様子を窺うと、客席の中程に立つ若菜と、ステージ上に現れた「電波塔の道化師」と名乗る存在。ステージ上の道化師の言動に我慢ならなくなってライアーがたまらず飛び出すと、道化師が正体を現した。道化師は翔太郎、若菜に付いていたボディガードは亜樹子と照井だった。逆上したライアーが若菜に襲いかかるが、返り討ちに遭う。実は、フィリップが若菜に化けていたのだ。それを知った亜樹子が翔太郎に「何で私が若菜姫じゃないの?」と詰め寄ると、代わりに照井が答えた。

「俺が言ったんだ、所長には無理だってな」

ショックを受けて打ちひしがれる亜樹子をよそに、3人は変身してライアーと戦う。

 

「フーティックアイドル」のスタジオには、ゆきほが来ていた。だが肝心の中田が姿を見せない。ゆきほが立ち去ろうとした所へ、漸く中田が現れて、歌い始めた。

 

ライダーとライアーの戦闘は、Wが屋上から落とされて危機に陥るが、アクセルに助けられてそこからジョーカーエクストリームでメモリブレイクに成功した。

 

歌い終えた中田は、審査員に歌そのものを酷評されながらも、歌に込めたハートは支持された。

3週勝ち抜きを逃してスタジオを去ろうとする中田に、裏で待っていたゆきほが声をかける。

「これって、ラブソングだったのね」

「遅いよ、ファンの癖に」

中田は、笑顔で応えた。その後、中田はゆきほが務める工場で、共に働き始めた。

 

後日、クイーン&エリザベスが自分達のCDを携えて事務所に来た。何でも「フーティックアイドル」のスタッフが口利きしたらしい。だがふたりは、雑誌で自分達よりも「仮面シンガー」の方が大きく取り上げられている事に不満だった。亜樹子はふて腐れて書道、フィリップは味をしめて翔太郎にもう一度歌おうと持ちかける。だが翔太郎は「オレは探偵ひと筋なの!」と突っぱねた。

 

以上が、今回のストーリーです。

翔太郎は、挫折して歌を辞めようとする中田を見捨てず、かと言って甘やかさずに諭し、立ち直らせます。ハートボイルド的な感情と言えるでしょう。この辺りもフィリップに言わせれば「ハーフボイルド」なのでしょうが。

 

翔太郎&フィリップと照井とのコンビ(?)ワークも深まる一方、井坂の動向も気になり始めました。では、今日はこれにて失敬。