ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #10「Sな戦慄/名探偵の娘」

こんにちは、松田悠士郎です。

今回は、「仮面ライダーW」第10話「Sな戦慄/名探偵の娘」を考察します。

 

前回からの続きで、Wとナスカが激しく戦う中、スイーツ・ドーパントが乱入する。すると、周囲を何やら不気味な気配が包む。その後、W達の周りに液体状の謎の物質が流れ出して来る。本能的に危険を感じたW達はその場を脱出する。その物質を放出していたのは、テラー・ドーパント=琉兵衛だった。

 

亜樹子は、同僚の佐々木由貴子から麻衣が襲われた事を聞かされ、慌てて麻衣の元へ向かう。だが麻衣は、父に近づく為に、逃げたくないと亜樹子に力強く告げる。

 

屋敷の使用人の中に一般のドーパントが紛れ込んでいる事を知った園咲家の面々、琉兵衛は放っておけと言うが、冴子は霧彦に共闘を持ちかける。但し、ふたりの狙いはWだった。

 

翔太郎は、亜樹子を呼び出して説教する。父との思い出に乏しい亜樹子は、父と共に探偵をしていた翔太郎が羨ましかったらしく、非常に落ち込んでいた。翔太郎は、かつて自分のミスで依頼者に怪我をさせてしまった時の荘吉の言葉「依頼者を危険に晒す奴は、探偵以前に人間としてクズだ」を引き合いに出して亜樹子を慰める。その流れで、荘吉の事を告げようとした翔太郎だったが、既に亜樹子は気持ちを新たにしてその場を立ち去っていた。

「ここで頑張らなきゃ、お父さんの娘じゃない!」

 

風都博物館で、亜樹子は琉兵衛に明日のスイーツタイムは使用人全員を集めてくれる様に頼む。何らかのサプライズを期待した琉兵衛は快諾する。その様子を陰で見ていた翔太郎だが、ふと気づくと、目にした展示物が全て以前に遭遇したドーパントを生んだメモリの根源となる物体だった。すると、いつの間にか間近に琉兵衛が来ていて、翔太郎に声をかけて去って行った。

「明日が楽しみだ」

 

フィリップは、敵のメモリを「スイーツ」と看破し、地球(ほし)の本棚で検索を始めた。「パティシエ」「浅川勇三」「浅川麻衣」とキーワードを入れるが、まだ搾れない。その時、スイーツ・ドーパントが発した言葉を思い出し、「舌先を駆け巡る極彩色の甘美」を追加して、遂に答に辿り着いた。

 

園咲家でスイーツタイムが始まった。亜樹子に頼まれた通り、食堂には使用人が全員揃っていた。亜樹子を除いて。使用人達が戸惑う中、亜樹子が登場して誘拐犯がこの中に居ると自信満々に告げる。亜樹子が真犯人と見たのはメイドの城塚福美だったが、その理由は酷くいい加減で、外から様子を窺っていた翔太郎も頭を抱えた。だがそこで、提供されたスイーツが全て亜樹子が適当に作った物だと告げた途端、ひとりの様子が変わった。そこへフィリップが翔太郎に電話する。フィリップが突き止めた真犯人の名は、佐々木由貴子。彼女こそ、風都パティシエランキングの記事を書いたライターだったのだ。その由貴子は、亜樹子のスイーツを食べた事を知って怒り、メモリを取り出してスイーツ・ドーパントに変身して麻衣を攫おうとする。麻衣を守ろうとした亜樹子も一緒に拉致されてしまった。逃走したスイーツを追い、翔太郎はサイクロンジョーカーに変身する。その様子を、冴子と霧彦が見ていた。ふたりはWを狙って変身し、後方から襲いかかる。その隙に、スイーツは逃走する。

隠れ家に着いたスイーツは亜樹子と麻衣を吐き出す。隠れ家の中には、勇三を始めとする今までに失踪したパティシエ達が拘束されていた。変身を解いた由貴子は、自分に永遠に仕えろと麻衣に要求する。

由貴子は本来、評論家ではなく作る側になりたかったが、風都の一番街に出した店は一年経たずに潰れてしまったらしい。だがスイーツメモリがあれば、全てのスイーツを我が物にできると思った様だ。再びスイーツ・ドーパントに変身した由貴子は、邪魔をした亜樹子に刃を向ける。

タブーとナスカの複合攻撃に苦しむWだが、リボルギャリーを呼び寄せて危機を脱し、ハードボイルダーでその場を離れる。追いかけるナスカにブースターをぶつけて振り切り、スイーツの隠れ家へ急行した。Wを逃がしたナスカを、タブーは怒って攻撃する。

 

亜樹子がスイーツに斬られそうになった所へWが乱入する。実は、亜樹子の手首に予め発信器を取り付けておいたのだ。追い込まれたスイーツが、標的を麻衣に変更して襲いかかった時、亜樹子が咄嗟に近くの椅子を掴んでスイーツに叩きつけた。

「私の依頼人に指一本触れるな!」

スイーツに向かって啖呵を切る亜樹子に翔太郎は荘吉をダブらせていた。

逃走するスイーツをヒートジョーカーで追跡するが、スイーツは液化して姿を消す。Wはバットショットにルナメモリを挿して、強力なフラッシュでスイーツを炙り出す。そこへ、ジョーカートルネードでメモリブレイクを果たした。

 

以上が、今回のストーリーです。

この話での翔太郎は、叱責されて落ち込む亜樹子に、自分の過去の経験を話して慰める優しさを見せます。尤も、亜樹子がどこまで聞いていたかは判りませんが。

 

劇中でフィリップが、「僕達は見たのかも知れない、敵の根源を」と言っていた様に、敵対するミュージアムの長、園咲琉兵衛=テラー・ドーパントの能力の一端が披露されました。この先、翔太郎達と園咲家がどの様に関わって行くのか、楽しみです。では、今日はこれにて失敬。