ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #4「Mに手を出すな/ジョーカーで勝負」
こんばんは、松田悠士郎です。
今回は、「仮面ライダーW」第4話「Mに手を出すな/ジョーカーで勝負」を考察します。
マネー・ドーパントの攻撃を受ける直前、翔太郎にもフィリップの過去の映像が少しだけ見えた。
フィリップは、リボルギャリーの中で狼狽し、荒れる。
ミリオンコロッセオに潜入した亜樹子は、優子を見つけて連れ戻そうとする。そこへ加賀が現れて、自分へのチャレンジャーに優子を指名する。
フィリップは、「家族」を検索するが、本のページは破られて閲覧できない。翔太郎の呼びかけで我に返るが、そこで翔太郎と口論になる。すると、翔太郎のスタッグフォンに亜樹子から電話がかかって来る。亜樹子は持ち出したバットショットを駆使して加賀と優子のルーレットの様子を中継でふたりに見せる。優子は連敗し、全てのチップを失う。ここで加賀がレート100倍のファイナルチャレンジを提案、優子は亜樹子の制止も聞かずに提案を受ける。しかし、ファイナルチャレンジでも優子は負けてしまう。マネーに変身した加賀が言う。「最初は破産寸前の店の為だったが、金に目が眩んだんだ」
優子は生命力をライフコインに吸い取られてしまう。
園咲邸では、冴子がウェディングドレスを試着していた。一方で、霧彦は琉兵衛からテストをすると言い渡される。霧彦が受け取ったナスカメモリの能力を極めているか、ひいては『ミュージアム』の中枢、全ての人類の統率者として相応しいかを、試すと言う。
琉兵衛が自らの「テラー」を使う前に、若菜が代わりにテストを行うと言い放ち、クレイドール・ドーパントに変身する。
優子の生命を奪ったマネーに殴りかかる亜樹子が、フィリップの事を「超天才」と自慢げに紹介すると、マネーは興味を示した。そしてフィリップも話に乗り、翔太郎からスタッグフォンを奪ってマネーに勝負を持ちかける。賭けるのは、自分達が持つガイアメモリ6本。マネーは勝負を受け、亜樹子以外の客を帰した。
クレイドールの攻撃を、霧彦は変身せずにかわす。激昂したクレイドールが襲いかかった所でナスカメモリを起動、変身して攻撃を受け止めた所で琉兵衛が合格を告げた。
フィリップは勝負に備えて、あらゆるギャンブルについて検索、閲覧していた。その一方で翔太郎は、フィリップの唯一の謎である家族について考えを巡らせていた。そこへサンタちゃんが現れ、翔太郎にプレゼントを渡して立ち去った。翔太郎が戸惑っていると、闇バスが到着した。フィリップと合流した翔太郎は、闇バスに乗ってミリオンコロッセオへ向かう。
ミリオンコロッセオに着いたふたりを、亜樹子が出迎える。加賀は「超天才」フィリップを見て困惑するが、ルーレットで勝負を挑む。
事前に充分な予習を済ませたフィリップが連戦連勝するが、加賀が「家族」と口にした途端にまた動揺し、形勢逆転して連敗する。そこで翔太郎が交代を宣言、サンタちゃんから貰ったプレゼントの包みからトランプを取り出して、ババ抜きでの勝負を要求する。翔太郎と加賀の勝負の一方で、冴子と霧彦の結婚式が執り行われていた。
ババ抜きを挑んだ翔太郎だが、加賀のテクニックの前に連戦連敗、追い詰められる。
見ていたフィリップは先に諦めてしまうが、翔太郎は言い放つ。
「俺はたとえ無謀でも、お前を守って勝負すると決めた。だから結果がどうだろうと悔いはねぇ、お前は、おやっさんから託された大事な相棒だからな」
亜樹子もスリッパでフィリップを叩きつつ、「ふたりでひとりじゃない!」と励ます。そして、振り返った翔太郎のウィンクを見て、フィリップは何かに気づいた。
最後、加賀の手にはジョーカーとスペードのA。加賀は翔太郎にジョーカーを引かせると豪語するが、翔太郎が選んだのは、Aだった。
「残った札はいらねぇ、俺自身が、ジョーカーだからな」
ここでふたりが種明かしをした。実は、翔太郎はカードを選ぶ前に密かにダブルドライバーを装着してフィリップと意識をつなぎ、その上でフィリップが翔太郎が取ろうとしたカードではない方のカードを瞬時に取ったのだ。
負けた加賀はマネーに変身、ふたりもサイクロンジョーカーに変身する。逃げ出したマネーをダブルが追う間に、亜樹子が置き去りにされたライフコインをかき集めた。
衆人環視の中、マネーとダブルの戦闘が始まる。ダブルはルナジョーカー→ルナメタル→ヒートメタルと次々にスタイルを変えてマネーを翻弄、マネーが「家族」と口にしても、家族代わりの仲間(翔太郎と亜樹子)を見つけたフィリップは動じない。最後はヒートメタルのメタルブランディングでメモリブレイクを果たす。
後日、「園咲若菜のヒーリングプリンセス」の中の「風都ミステリーツアー」のコーナーで、先だってのマネーとの戦闘を見ていたと思われるリスナーから「仮面ライダー」と名付けられてのハガキが殺到していると紹介され、翔太郎とフィリップは「ふたりでひとりの仮面ライダー!」と喜ぶ。
以上が今回のストーリーです。
前回の続きで、解決編です。
「家族」という言葉に動揺するフィリップが、翔太郎と亜樹子という「家族代わり」を見つけます。ちょっと頼りないらしいですが。
翔太郎は、「家族」という存在が欠落していると判明したフィリップをどう励ましてよいか、思い悩みます。その上で、土壇場でフィリップを守る決意を改めて固めます。「ハーフボイルド」が、この時ばかりは「ハートボイルド」な優しさと強さを見せてくれました。コンビの絆が更に強固になる、重要なエピソードだと言えるでしょう。
また、この回で「仮面ライダー」という呼称が出て来ます。以降、ふたりは「仮面ライダーW」を名乗る事になります。
ふたりが立ち向かう『ミュージアム』の驚異の片鱗も、この回で観られます。「ナスカ」となった霧彦が、正式に園咲家の一員として迎えられ、今後更に暗躍します。ダブルとどう関わって行くのかも楽しみです。では、今日はこれにて失敬。