ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #20「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」

こんばんは、松田悠士郎です。

今回は「仮面ライダーW」第20話「Iが止まらない/仮面ライダーの流儀」を取り上げます。

 

片平真紀子に襲いかかるアクセルを、Wが止める。だがアクセルの猛攻に圧倒されて変身を解かれてしまう。それでも翔太郎はアクセル=照井を諭すが、アクセルは聞き入れない。そこへ亜樹子が割って入り、やっと照井は変身を解いた。照井は、翔太郎を睨みつけて言い放った。

「この街は腐っている、だから街も腐るんだ。俺はこの街が大嫌いだ!」

 

負傷した翔太郎は事務所に戻り、ベッドに横たわる。亜樹子は照井の頑なな態度に疑問を持つが、フィリップは照井こそハードボイルドではないかと言う。翔太郎は照井に対する反感を露わに事務所を出て行く。慌てて亜樹子が追いかける。

風都署では、照井が刃野と真倉の報告を聞いていたが、何の成果も無い事に苛立ち、単独捜査に出る。

 

フィリップは、Wのイニシャルを持つ氷のメモリについて検索をかけるが、対象が全く絞り込めずにいた。そこで目先を変えて、過去の風都での凍結事件を全て洗い出す事にした。

 

コーンフラワーブルー」から、片平清が警察の監視の目を盗んで出て行った。その後をつける照井。

一方の翔太郎達は、ウォッチャマンから片平親子に関する情報を仕入れ、あゆみ公園へ向かう。

 

果たして、片平親子は公園内で落ち合うが、何故か言い争いを始める。清が立ち去った直後に、アクセルが真紀子を襲う。そこへ翔太郎達が駆けつけるが、アクセルは制止を聞かずに剣を振るう。その攻撃を止めたのはフィリップが使役したファングだった。更にアクセルと真紀子の間に翔太郎が割り込む。するとアクセルは攻撃対象を翔太郎に切り替えた。フィリップの進言でふたりはファングジョーカーに変身して応戦する。その中でフィリップがアクセルに言い放つ。

「君の行為は正義ではない、個人的な復讐だ!」

図星を突かれたのか、照井は変身を解いた。フィリップも変身を解き、翔太郎達と共に照井の話を聞く。

照井はかつて、両親と妹を氷のドーパントに殺されていた。父親が今際の際に「Wのガイアメモリを」と言い残した事から、照井はWのメモリを持つ者を追い続けていた。その後にシュラウドと出会い、エンジンブレードを得ていた。

真紀子を追おうとする照井に、翔太郎が言う。

「おまえは間違った相手を殺そうとしていたんだぞ!」

 

冴子と若菜は、ネイルサロンで爪を整えていた。どうやら冴子は若菜に重要な人物を紹介するらしい。しかも、その人物はかつて風都を震撼させた連続凍結事件の立役者だと言う。

 

クラブのお立ち台で、清がご機嫌な様子で踊っていた。すると突然音が止まり、翔太郎達が入って来た。清は途端に不機嫌になり、一緒に踊っていた若者達を追い出す。

翔太郎達の調査により、凍結事件の真犯人は清だと割れていた。清は周囲の評判が悪いらしく、池田を始めとする被害者達は些細な事で清の怒りを買って襲われた様だ。真紀子はあくまで清を庇っただけだった。

その真紀子がクラブに現れて清にすがりつくが、清は真紀子を突き飛ばす。その身勝手さに怒った翔太郎が迫るものの、清はドーパントに変身して逃亡する。翔太郎は真紀子に「あんたを2度とひとりでメリーゴーランドには乗せねぇ」と言い残して清を追った。その翔太郎を照井は「甘ったるい!」と断じるが、亜樹子が言い返した。

「ハーフボイルドだからね」

 

ドーパントを追う翔太郎とフィリップは、ヒートジョーカーに変身する。だがドーパントは池の水を大量に凍らせて氷柱状の弾丸を作って攻撃する。咄嗟にヒートトリガーに換装して迎え撃つが、トリガーマグナムを打ち落とされてしまい、苦戦する。そこへ照井が割って入り、アクセルに変身してドーパントに猛攻を加えた。最後はエンジンメモリでのマキシマムドライブでドーパントを倒した。

変身の解けた清に尚も襲いかかるアクセル、だが清を襲ったのはエンジンブレードではなく手錠だった。

連行される直前、真紀子に上着をかけてもらった清は、素直に母に謝った。その清の足元に落ちたメモリを拾った照井がイニシャルを確認すると、瞠目した。

「ICE AGE」

そう、清の持っていたメモリは「W」ではなかった。ブレイクしたメモリを放り、照井が清に詰め寄る。だが清がメモリを手に入れたのは2週間前だった。つまり、照井の家族が殺された昨年8月には、清はまだメモリを所持していなかった。

 

レストランで冴子と若菜が会食していた相手は、店内のピアノに歩み寄るとそれまで弾いていたピアニストと交代してピアノの前に座った。そして、鍵盤の上にガイアメモリを置く。そのイニシャルは「W」

 

翌日、何故か照井が事務所に来ていて、翔太郎よりも美味しくコーヒーを淹れて振る舞い、去って行った。

 

以上が、今回のストーリーです。

「ハードボイルド」照井が、「ハーフボイルド」翔太郎を認める展開でした。尤も、翔太郎本人は全く「ハーフボイルド」のつもりはないのですが。

その翔太郎の、片平真紀子に向けた言葉にこめた優しさが、照井の心をも動かしたのです。こんな所に私は「ハーフボイルド」と「ハートボイルド」の親和性を感じるのです。では、今日はこれにて失敬。