ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #6「少女…A/嘘の代償」

こんばんは、松田悠士郎です。

今回は、「仮面ライダーW」第6話「少女…A/嘘の代償」を考察します。

 

前話のラストで新たに出現したアノマロカリスドーパントがみやびとあすかに向けて歯を撃ち出しますが、間一髪ルナジョーカーに姿を変えて救出する。しかし、アノマロカリスドーパントには逃げられてしまう。

みやびは、再三の襲撃にも関わらず、翌日の売買交渉にもあすかを同行すると言う。翔太郎の反発もお構い無しだ。

一方、あすかはWの絵を描いていた。

「何で、パパが仮面ライダーだと思うんだ?」

翔太郎の問いに、あすかはみやびから貰ったという人形(パパからのお守り)を示して答えた。

父親を失って悲しみにくれるあすかに、みやびが人形を渡して、パパは顔が傷ついて、仮面を被らなければならなくなった、だから今は仮面の騎士として風都を守っていると告げたらしい。

なので、Wが現れた時は、母の言う通りになったので嬉しかったそうだ。つまり、母のついた嘘と今回の偶然が、あすかの心を救った事になる。翔太郎は、そんなあすかの為に嘘に付き合おうとするが、それをフィリップに「ハーフボイルドだ」とからかわれてしまう。

鷹村の部下が使っていたメモリは実験品だった。と言う事は、鷹村はガイアメモリ流通に何らかの関わりがあると思われた。

その鷹村が仕切るガイアメモリ精錬工場に、冴子と霧彦が来ていた。「替えはいくらでも居る」と脅す冴子に、鷹村は霧彦の協力を求める。Wへの対処を求められた霧彦は、ナスカメモリを起動する。その隣で、鷹村もアノマロカリスドーパントに変身する。

 

風都ラーメンを食べるウォッチャマンとサンタちゃんの所に亜樹子が現れ、ウォッチャマンから鷹村の土地についての情報を聞く。何でも、あの土地では夜中に地面の下から低い音が聞こえるらしい。その情報を聞いたフィリップは、土地の地下に何かあるのかと興味を示しつつ、あすかの父、楠原大三郎についての検索も行う。そこで、あすかに対して行っていた「いつものあいさつ」を知る。

 

翔太郎はあすかをホテルの屋上に呼び出して、父親の真実を話そうとするが、結局話せずに嘘を重ねてしまう。そこへアノマロカリスドーパントが現れ、あすかをさらう。アノマロカリスの攻撃で屋上から落とされる翔太郎だが、あすかに発信器を着け、自らはスパイダーショックを使って窮地を脱する。

みやびがあすかを迎えに行くが、部屋にあすかは居ない。そこへ、みやびの携帯にメールが入る。差出人は鷹村だった。メールには、「娘さんと遊んでいる」と書かれていた。

発信器を頼りにあすかを追い、サイクロンジョーカーに変身した翔太郎の前に、ナスカ・ドーパントが現れて戦闘になる。ヒートメタルに姿を変えて応戦するが、なかなか局面を打開できない。そこで翔太郎は、ヒートトリガーになってナスカにゼロ距離射撃を見舞って撃退するが、そのダメージで変身を解いた後もフィリップは目覚めない。フィリップの代わりに電話に出た亜樹子にフィリップを任せると、翔太郎は傷ついた身体を引きずってあすかを追った。

鷹村に呼び出されたみやびは、立ち入り禁止区域の地下に赴く。すると、縛られたあすかの側に鷹村が居た。アノマロカリスに変身した鷹村は、あすかを抱えてみやびに告げる。

「俺の土地に手をつける奴は皆消えて貰う」

 

なかなか目を覚まさないフィリップに、亜樹子は酢を飲ませる。効果はてきめんで、フィリップは即目を覚ました。電話を受けた翔太郎はサイクロントリガーに変身してアノマロカリスの前に現れる。だが、アノマロカリスはあすかを盾にして抵抗する。翔太郎は、「パパを信じているよな?」とあすかに言ってからトリガーマグナムを発射、着弾寸前にルナメモリを使い、弾道を曲げてアノマロカリスに弾丸をヒットさせてあすかを救出した。

逃走するアノマロカリスを追うと、アノマロカリスは巨大化してWを水中に引きずり込む。フィリップはリボルギャリーを呼び、内部からハードスプラッシャーを発進させて乗り込み、魚雷で攻撃する。最後はトリガーフルバーストでメモリブレイクを果たした。

 

「DIGALcorporation」では、冴子が琉兵衛に鷹村の工場を破棄すると告げていた。

 

Wに駆け寄るあすかに、みやびが諭した。

「パパはもうあすかだけのパパじゃない、パパは風都の平和を守らなくちゃならないの」

渋々母の言葉を受け入れたあすかが、最後にWに頭を出して「いつものごあいさつ」を要求した。判らずに困惑する翔太郎だが、予め知っていたフィリップが、無事に挨拶を済ませた。

みやびは議員を辞め、第二風都タワー計画は無期延期となった。

 

以上が、今回のストーリーです。

劇中でフィリップに「ハーフボイルドだ」と指摘される通り、翔太郎はみやびがあすかに対して吐いた嘘に付き合おうとします。それはやはり、父親を失い、母の嘘と目の前に現れたWを信じて疑わないあすかへの優しさ故の行動でしょう。結局、あすかに真実を告げる事はできませんでしたが、少女の心を守る為と思えば、これも「ハートボイルド」と呼ぶべきではないでしょうか。

 

ナスカ・ドーパントも本格的に登場し、物語は更に加速します。では、今日はこれにて失敬。