ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #40 「Gの可能性/あなたが許せない」

こんばんは、松田悠士郎です。

今回は「仮面ライダーW」第40話「Gの可能性/あなたが許せない」を取り上げます。

 

Wとクレイドールを蹴散らした冴子は、ナスカメモリを直挿しした事による能力向上に酔っていた。Wはプリズムブレイクを試みるが、ナスカの攻撃に中和されてしまう。

変身を解いて、実の姉と判明した冴子に問いかけるフィリップに対して、冴子は嘲笑と共に言い放つ。

「笑わせないで、お前は物なのよ来人、家族じゃない」

ついでに若菜を威嚇して、冴子はその場を立ち去った。太刀打ちだきなかった悔しさを露に、若菜も撤退する。

「無理だ、彼女達の目を覚まさせるのは」

絶望するフィリップの傍らで、自分のカメラが倒れたウォッチャマンが絶望していた。

亜樹子は、透を何とか説得しようと、透のあいへの気持ちを引き合いに出すが、透は筆談であいへの恋愛感情を否定する。

 

ホテルのレストランで、冴子は加頭と向かい合っていた。ナスカメモリとの適合率の高さに感心し、好意を口にする加頭を疎ましく思う冴子は、散歩と称して席を立つ。

 

事務所では、亜樹子がタブレットで例の透が作った大長編映画を食い入る様に観ていた。透の心を開く為のヒントを求めていたのだ。呆れる翔太郎や、透を変えるのは無理だと言い切るフィリップに、亜樹子は撮影続行を宣言する。

翔太郎達に加えて照井や真倉も呼び、再び撮影を始める亜樹子だが、透は全く乗り気でない。荒療治が必要と判断した亜樹子は、照井を呼んで告げる。

「次のシーン、ジェシカ(あい)とカカシ(照井)のキスシーンに変更するから」

これに照井は動揺し、現場から逃走する。亜樹子は真倉に照井を捕まえる様に指示した。

 

ディガル・コーポレーションの屋上で悔しさを噛み締める若菜に、ナスカが襲いかかる。間一髪でかわした若菜はクレイドールに変身して応戦するが、力の差は歴然としていた。クレイドールは再生能力を駆使して何とか逃亡した。

社長室に戻った若菜は、遂にガイアプログレッサーを手にする。その光は、以前琉兵衛と共に見たエクストリームの光に酷似している。

 

撮影現場で、透が亜樹子に相談を持ちかけた。亜樹子は翔太郎にメガホンを押し付けて透と共に現場を離れる。最初は渋っていた翔太郎だが、次第に乗って来てレフ板を持つフィリップに注文をつけたりし始めた。

透は亜樹子を油断させて、その隙にジーンメモリを奪おうとした。気づいた亜樹子と揉めている所へクレイドールが現れ、ジーンメモリと透を攫って飛び去った。

ディガル・コーポレーション内のスタジオに透を連れて来た若菜は、ジーンの能力で自分にガイアプログレッサーを融合してくれたらこのスタジオを自由に使って映画を撮って良いと告げる。しかし、断れば命は無いとも。少し迷いながらも、透は若菜の提案を受けてジーン・ドーパントに変身、融合処置を施す。そこに亜樹子が現れて透にスリッパの一撃を浴びせて、更にクレイドールにも一発浴びせる。

「どいつもこいつも流されてばっかで、本当にやりたかった事なの?」

亜樹子は透と若菜に自分の意志を見せろと迫る。それに対して若菜はエクストリームの光を解放する。亜樹子は飛ばされそうになりながらも、透に撮影現場へ戻って皆にこの事を知らせる様に頼む。戸惑いながら、透は現場へ戻った。そこで、いつもの明るい表情で寄って来たあいに、透は突如声を荒らげてまくし立てる。

「違う!ジェシカはもっとダークなイメージなんだ!」

言い終えた後で、自分の口で言えた事に驚く透だが、次の瞬間、あいに向かって頭を下げて謝罪した。これに、フィリップも驚いていた。

ここでやっと本来の目的を思い出した透が皆に亜樹子の危機を知らせる。

ディガルに到着した翔太郎、フィリップ、照井は亜樹子を救出して3人同時に変身する。だがガイアプログレッサーと融合したクレイドールは恐ろしい程の強さでWとアクセルを寄せ付けない。Wがエクストリームに変身してプリズムビッカーで斬りつけるが全く応えない。Wはプリズムブレイクを放つが、クレイドールは即座に再生、直後にエクストリームに進化して見せた。近くで観ていた冴子も、若菜の変貌に驚きを隠せない。

 

教会で加頭と話す琉兵衛。クレイドール=土人形は、人間が神への祈りを込める器として作り出された物だと語り、その能力を極めた若菜は正に地球という神の巫女となったと誇らしげに言った。その為にWを泳がせて戦闘データを取っていたとも。更には、加頭が冴子を焚き付けた事も効果があったと平然と言ってのけた。加頭は、琉兵衛の慧眼に舌を巻く。

 

クレイドール・エクストリームは冴子に一撃を浴びせる。咄嗟にナスカに変身する冴子だが、ダメージは深刻だった。

全方位に攻撃するクレイドール・エクストリームに苦戦するWとアクセル。すると、クレイドールの放った光球が亜樹子の方へ飛んだ。それを救ったのは、何と透だった。Wはアクセルトライアルを二人の元へ向かわせ、自らはプリズムビッカーの4つのスロットに防御に向くメモリを差し、ビッカー・ファイナリージョンでクレイドールの攻撃を辛うじて防ぐ。

クレイドール・エクストリームは空に生じた時空の裂け目に消えた。若菜の新たな力を目の当たりにした冴子は、改めて逆襲を誓う。一方、改心した透はジーンメモリをWに渡す。受け取ったWがメモリを握り潰した。

 

地球の本棚で考え込むフィリップの前に、若菜が現れた。どうやらエクストリームの力を得た所為で本棚の空間に入れる様になったらしい。尤も、まだフィリップに触れる事や、本を閲覧する事はできない様だが。

「あなたは大事な家族、だから必ずあなたを救う」

本心を告げるフィリップを、若菜は嘲笑った。

「馬鹿な子。地球で一番頭が良い癖に」

 

透は、あいや仲間達と映画を撮り始めたらしい。そんな事を話している翔太郎達の前に、何故か大量のDVDを持った照井が現れて亜樹子に告げた。

「予習は充分だ、どんなキスシーンでも振り切るぜ!いや、振り切らせてください」

 

 

以上が、今回のストーリーです。

前回に続いて、今回も亜樹子のハーフボイルドなお節介が爆発します。透の気持ちを勝手に慮って映画撮影を続行し、自分の意志を見せない透や若菜を一喝して見せる。今回ばかりは完全に亜樹子が主役でした。

その一方で、フィリップも実の姉だと知った冴子と若菜を説得しようとする家族としての優しさを垣間見せます。

従って、今回は翔太郎は完全に脇でした。では、今日はこれにて失敬。