ハートボイルドマスターへの道

小説で標榜している「ハートボイルド」という概念について深く探究する為のブログ。

ハーフボイルドはハートボイルドの夢を見るか? #15「Fの残光/強盗ライダー」

こんばんは、松田悠士郎です。

今回は「仮面ライダーW」第15話「Fの残光/強盗ライダー」を考察します。

 

リボルギャリーから白煙が上がっているのを見つけた亜樹子と翔太郎。ハッチを開けると、中には厚着をして沢山の暖房に囲まれたフィリップが居た。どうやら、園咲若菜がラジオでプロボクサーの減量について話した事がキッカケで、自ら減量地獄を体験していたらしい。翔太郎に介抱されるフィリップの視界に、何やら小動物の様な影が見えた。己が目を疑ったフィリップが再びその方向を見ると、影は消えていた。

 

「鳴海探偵事務所」に、女性の依頼人が現れた。女性は銀行員の麻生冬美と名乗り、「仮面ライダー」を探してくれと頼む。Wの事だと思った翔太郎と亜樹子は、楽な仕事だとほくそ笑むが、次に冬美は信じられない言葉を放った。

仮面ライダーは、憎むべき犯罪者です」

驚く翔太郎とフィリップ。何でも、その仮面ライダーは冬美が見ている前で銀行強盗を働いたと言うのだ。その最中、冬美が顔を背けて「クソ野郎」と呟くのを、亜樹子は聞き逃さなかった。

 

その「仮面ライダー」が、次は現金輸送車を襲った。現場に駆けつけた翔太郎に、刃野が言い放つ。「前から胡散臭い奴だと思ってた」

刃野の言葉に反発する翔太郎は、偽仮面ライダーを捕まえる為にバットショットを放つ。

 

園咲邸では、琉兵衛と若菜がチェスに興じていた。傍らには冴子も居る。フィリップの事を考えて集中を欠く若菜は、琉兵衛にあっさりチェックメイトを許し、そのまま仕事へ出て行った。若菜を見送った琉兵衛は、懐からクレイドールメモリを取り出してテーブルを置き、冴子に訊いた。

「私達は、何かな?」

「地球に選ばれた家族です」と答える冴子に、琉兵衛は新たなガイアメモリを要求する。

 

バットショットが、偽仮面ライダーを見つけた。翔太郎はフィリップに呼びかけてサイクロンジョーカーに変身し、ハードボイルダーで走り出した。

 

仮面ライダーが現金輸送車を襲い、警備員に「さぁ、俺の名前を当ててみな」と訊く所へWが到着、偽者はバイクで逃走しながら追跡するWに右腕の銃を撃ちかける。リボルギャリーを呼んだWが、ハードボイルダーにブースターを装着して、一旦は追いつくが結局逃げられてしまう。だが、そこに何かの破片が落ちているのを発見した。

 

ライミングジムで壁を上る冬美の傍らに亜樹子が現れ、冬美が銀行員じゃないと指摘した。冬美はアッサリと嘘を認めて壁から降りた。そこに翔太郎が現れて冬美の素姓を訊ねる。何と冬美は、コンビで活動する神出鬼没の泥棒「ツインローズ」の片割れだと言う。そして、偽仮面ライダーこそ彼女の相棒、倉田剣児なのだ。

真実を聞いた亜樹子は依頼を断ろうとするが、翔太郎は受けると告げた。但し報酬は、冬美と倉田がふたり揃って自首する事。

 

事務所に戻ったふたりは、フィリップに検索を頼む。だが、「倉田剣児」「ツインローズ」では決め手に欠けた。すると亜樹子が例の拾い物を示すが、その正体が判らないのでキーワードを足せない。すると亜樹子がその拾い物を眺めて「リンゴ」と言うと、それがハマって検索が完了した。拾い物はシャーウッドビルのコインロッカーのキーホルダーだった。手がかりを得た翔太郎は、冬美に連絡を取ってシャーウッドビルへ向かおうとする。フィリップは「対策を立ててから」と止めるが、翔太郎は「対策なんざ動いてから立てりゃいいんだ」と言い捨てて事務所を出た。

 

冴子は、居合わせた霧彦の質問をあしらい、時間を見て「ショーの時間ね」と呟いて園咲邸を出て行った。

 

シャーウッドビルの地下に、偽仮面ライダーが現れた。そこに、翔太郎と亜樹子、冬美の姿があった。偽仮面ライダーが変身を解くと、果たして正体は倉田だった。ふゆ美は倉田に縋りついて「昔のアンタに戻って」と懇願するが、倉田は冬美を振り払い、アームズメモリを挿して変身した。翔太郎とフィリップもサイクロンジョーカーに変身し、戦闘が始まる。アームズ・ドーパントの多彩な攻撃に、Wはヒートメタルで反撃するが、アームズは腕を銃に変えて応戦する。Wはリボルギャリーを呼んで防御、ヒートトリガーからヒートジョーカーと姿を変えてアームズを追い詰める。そこへ、冴子から無線で指示が下る。

「倉田、遊んでないで本気出しなさい」

そこでアームズは、大勢のマスカレード・ドーパントを呼び出して亜樹子と冬美を捕らえる。その上でWに変身を解く様に要求する。。翔太郎はフィリップと打ち合わせて、変身解除と見せかけてルナを使おうとするが、アームズに見抜かれて阻止され、銃撃を受けて翔太郎は変身解除して負傷してしまう。だが、アームズの目的は別にあった。

リボルギャリーから出て来たフィリップを見つけたアームズは、マスカレード達にフィリップを捕らえる様に命じる。翔太郎に促されて、フィリップは逃走する。

 

外に出たフィリップに、冴子が歩み寄った。

「もう一度あなたをこの手にするわ、さぁいらっしゃい、来人」

 

以上が、今回のストーリーです。

今回、翔太郎は「仮面ライダー」の名を騙って強盗を繰り返す偽者に対して怒りを露わにします。

仮面ライダー」とは、街の人達が名付けてくれた名前で、愛着もある名前になっていました。その大事な名前を遊び半分で汚す奴を、翔太郎はどうしても許せないのです。

一方で、銀行員を騙って依頼してきた冬美に、依頼の報酬として「ツインローズ」ふたり揃っての自首を求めたのは、翔太郎のギリギリの優しさだと思います。やはり亜樹子には「ハーフボイルド」と揶揄されますが。

 

この話と次の話で、新たな展開が始まります。では、今日はこれにて失敬。